AI活用交流会 #1 — 職種もAI歴もバラバラな10名が、いまの使い方を持ち寄った
2026年9月3日のオンライン回の記録。税理士・経理・営業・インフラエンジニアなど10名が、いま自分がAIをどう使っているかを持ち寄り、その場で詰まっているところを交換しました。当日出た具体的なやり方もそのまま載せています。
2026年9月3日(木)20時。「AIでできるカレッジ」のオンライン回を Google Meet で開きました。初回です。
やることは単純で、いま自分がAIをどう使っていて、どこで詰まっているかを持ち寄る。それだけです。終わってみれば、22時の予定を過ぎても話が続き、録画は3時間を超えていました。
何が交換されたのか、当日の記録をまとめます。

集まったのは、職種も地域もAI歴もバラバラな10名
初対面同士なので、冒頭の25分を自己紹介に充てました。聞いたのは4つだけです。

顔ぶれはこうなりました。
| 職種 | 地域 | いま AI をどう使っているか |
|---|---|---|
| 税理士 | 東京都 | クライアントの展望検討・情報整理 |
| ビジネス情報サイトのライター | 千葉県 | 執筆・リサーチの効率化、社内ツール作成 |
| エンジニア | 神奈川県 | アナログな開発手法からの脱却を模索中 |
| システムエンジニア | — | 職場では未導入。個人でコーチング的に活用 |
| 社内システム担当 | 兵庫県 | Claude と Codex で社内システムを開発 |
| コーポレート業務の外部支援 | 香川県 | 日々 AI と対話して業務を効率化 |
| AWS インフラエンジニア | 千葉県 | 自社プロダクト開発に活用 |
| IT 技術支援(個人事業主) | 福岡県 | DB のレスポンス改善・ログ解析 |
| プラント建設会社の経理 | 福岡県 | 社内環境に制限があり、個人データをマスキングして活用 |
| 営業職 | 長野県 | 6月に導入。案件管理・メール対応の効率化が目標 |
エンジニア専用の場ではありません。 税理士、経理、営業、ライター——「自分の仕事で使いたい」という動機で来た方が半数を占めます。この構成が、そのあとの話の幅にそのまま効いてきました。
「使っていない」も立派な現在地として扱っています。実際、職場の環境が制限されていて個人データをマスキングしながら触っている、という方もいました。
持ち寄られたのは、全員「自分の持ち場の困りごと」
自己紹介のあとは手を動かす時間です。黙々と進めたい人は「作業卓」へ、詰まったら「質疑応答卓」へ移動する、という2部屋構成にしています。


この日、場に出たテーマの一部です。
- 長文の報告書をスライドに自動変換するツール(ライター)— 観光庁の報告書のような難解な資料の理解を助けたい、セミナー資料の作成を自動化したい
- 言語聴覚士向けの訓練支援アプリ(インフラエンジニア)— 利用者の症状に合わせてカスタマイズできる訓練内容を、スマホアプリで提供する
- 会計データの処理から課題抽出・タスク管理までの自動化(税理士)— 一連の流れをまとめて AI に任せたい
- 建設現場の日報管理アプリ(エンジニア)— LINE のリッチメニューから写真を上げると、自動で保存される仕組み
- EC の商品リサーチ・価格比較・発注判断の自動化(システムエンジニア)— 手作業のネットサーフィンと価格差のランク付けを、まるごと自動化したい
- リアルタイムに会話できる AI エージェント(IT 技術支援)— ローカルモデルで応答速度を上げるためのデバッグ
- 個人開発アプリとトークンコストの圧縮(社内システム担当)— Unity と Flutter、そして API コストの管理
- 承認待ちで止まる AI を止めないための環境づくり(経理)— PC の前を離れられない状態をどうにかしたい
分野はバラバラですが、全員が「自分の持ち場で、自分が困っていること」を持ってきているのが共通点でした。だから話が噛み合います。
その場で交換された、具体的なやり方
質問と回答が次々に飛び交いました。この日出たもののうち、汎用性の高いものを抜き出します。
音声入力で、数千文字の指示を一度に渡す
作業手順を AI に構築させるとき、キーボードで細切れに指示を出すより、音声入力アプリで数千文字規模の指示を一度に流し込み、そのセッション内で仕組みを作り切るほうが早い、という話になりました。複雑な画面遷移は、要所でキャプチャ画像を添付し URL を提示すると、AI 側がサイト構造を理解しやすくなります。
認証は、AI が画面を出して人間が通す
ログインが必要なサイトを AI に操作させるときの定石として、AI にブラウザ上で認証画面をポップアップさせた状態で人間にパスし、認証が済んだら作業を継続させる運用が共有されました。
個人開発では、細かく分解しないほうが速い
要素を細かく分解して積み上げるより、AI に作業を丸ごと任せて改善サイクルを回すほうが、個人開発では圧倒的に早い——これは運営からのアドバイスです。
一度やった作業は「スキル化」して定期実行へ
Claude Code で一連の作業を終えたあと、その工程を「スキル化」するよう指示しておくと、次回から同じ挙動を再現できます。これを「ルーティン」機能と組み合わせると、定期的な自動実行になります。
スライドは PowerPoint より HTML
AI はパワポ形式に落とし込む作業が苦手なので、HTML としてレンダリングしてから調整するほうが結果が良い。多数の AI アプリを作ってきた参加者からの共有でした。
モデルを切り替えると、キャッシュは消える
作業内容に応じてモデルを切り替えると、プロンプトキャッシュが消えてトークン節約にならない、という相談が出ました。回答は「キャッシュの消失が問題になるなら、セッション自体を分けて作業する」。ここから TTL を意識したキャッシュの使いこなしや、メインの文脈を汚さずにサブ作業を行う方法まで、議論が続きました。
承認で止まるなら、頻出の操作を先に許可しておく
AI エージェントが承認要求で止まってしまい PC の前を離れられない、という相談には、頻繁に行う変更をあらかじめ許可設定に登録して承認要求を最小化する、外出先からはリモートコントロール機能を使う、という回答になりました。
ローカル LLM は、メモリ帯域がボトルネックになる
タスクに応じたモデルの使い分けも話題になりました。小規模な修正はローカル LLM、高度な処理は API、という切り分けです。ただしローカルで高度な処理を回すには高いメモリ帯域が要り、GPU メモリとシステムメモリを共有する環境ではデコード速度が頭打ちになる、という実測ベースの共有もありました。
最後は、次にやることを1つ決めて終わる
終盤は進捗共有です。**「今日やれたこと」と「次にやること」**の2つだけを話します。次にやることは、次の回までに進められる、いちばん小さな1歩をひとつ。


この日、参加者が「次までにやる」と決めたのは、たとえば——セミナー用のプレゼン資料を自動生成するツールの開発、AI エージェントの応答速度の改善、Unity と WSL 環境間のキャッシュ改善によるトークン消費の抑制、症状に応じてカスタマイズできる訓練ツールのアプリ化、会計データの処理からタスク管理までの統合、EC リサーチと発注プロセスの自動化、といったものでした。
そして2週間後、この続きから次の回が始まります。
なぜ、この場をつくったか
冒頭、運営の吉永からこう話しました。
躓かずに手を動かせれば、何かしらの成果が出る。そういう時代に、いま生きています。
AI で何かを作ろうとしたとき、技術的な壁より先に来るのは「一人だと続かない」「詰まったときに聞ける相手がいない」という問題でした。だから、月2回・木曜の夜に同じ時間を取って、少人数のまま集まるという形にしています。

初回で確かめられたのは、他の人が何に詰まっているかを聞くと、自分の詰まりも言語化できるということでした。一人で考えていると「何から手をつけるか」で止まりがちなことが、他の人の話を聞いた直後だと、不思議と絞れます。
次の回の記録はAI活用交流会 #2です。持ち寄ったものがどこまで進んだのか、そこで何に詰まったのかを書いています。
掲載について:当日その場で、活動の様子をサイトに掲載する方針と、顔・お名前・画面にモザイクをかけたうえで載せることをご説明し、ご希望されない方は個別にご連絡いただくようお願いしています。本ページに掲載している画像は、運営(吉永)以外の参加者の方のお顔と、画面上に表示されたお名前にモザイク処理を施しています。本文でも参加者のお名前・ハンドル名は掲載せず、職種と都道府県までの粒度に留めています。録画と議事録は会員の方にのみお渡ししているもので、公開はしていません。
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一人だと続かなかった、を仕組みで変える場所
月2回・第1-3木曜の 20:00–22:00 に集まって、各自が自分の仕事を題材に手を動かします。 会員限定の Discord と、月1回の同業交流会(対面)も。第一期の募集は終了しました。第二期の募集が決まりましたら、ご案内リストの方へ最初にお知らせします。
